死亡事故における損害賠償のポイントについて
死亡事故で相談を受けるきっかけとは・・・
交通事故は、被害者の方や周囲の方にとって、いずれも辛い経験となってしまいますが、最も悲しい事故の一つが死亡事故です。
残されたご遺族から、保険会社から提示された損害賠償額について、「これは妥当な内容でしょうか。」というご相談を頂くことがあります。大切な方を亡くされた方にとって当然の疑問ということができます。
賠償内容を大きく左右する「一家の支柱」概念
死亡事故には、多くの損害項目がありますが、当該事故類型に限定して出てくる概念として「一家の支柱」というものがあります(さらに、「一家の支柱に準ずる場合」などといわれることもあります)。
この「一家の支柱」にあたるかによって、①逸失利益を請求する際の生活費控除率と②死亡慰謝料が変わってきます。
逸失利益と死亡慰謝料はいずれも金額的に大きな部分ですから、「一家の支柱」にあたるか否かが賠償内容を大きく左右することになるのです。
ちなみに、生活費控除率とは、将来の逸失利益(労働による収入のほか、種類により年金も含まれる場合があります)を積算する際に、生きていたら生活費にかかったであろう部分を○%と計算して、差し引くものです。
「一家の支柱」であれば、その収入は家族全体を支えるものですから、本人自身の生活費の割合は低めだろうと計算されるというわけです。
「一家の支柱」とは誰?
では、「一家の支柱」とは具体的にどのような方をいうのでしょうか。
その内容は、「被害者の世帯が主としてその被害者の収入によって生計を維持していた場合」とされています。
真っ先に浮かぶのは、「パートナーと子どもの生活を支える働き盛りの方」といったイメージでしょうか。
しかし、よくみると、上の定義はそのような限定はしていません。
本事例も、被害者は奥様と二人暮らしで年金生活でしたが、紛争処理センターにおいて、各種の事情を主張した結果、「一家の支柱」としての死亡慰謝料(2800万円)が認められたこと等により、大幅な増額となったケースでした。
最後に
保険会社が提示した金額について適正かを判断するのは、「一家の支柱」の該当性ひとつをとっても難しいものです。
この提示金額は妥当なのかな…と疑問をもたれたら、一度、ご相談されてみてはどうでしょうか。
当事務所で解決した死亡事案 Hさんの事例
「一家の支柱」が認められ、示談金が当初の提示金額より1500万以上アップした事例。
弁護士 倉田多佳子
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