自転車(じてんしゃ)事故は後遺障害申請できない?
大阪在住のTさんは歩道上を歩行中、柱の陰から飛び出してきた自転車(じてんしゃ)に衝突されるという交通事故に遭われました。
この交通事故でTさんは、膝を強くひねり、脛骨顆間(かかん)隆起骨折の傷害を負いました。
Tさんは手術後リハビリに励まれましたが、1年以上経っても膝の痛みやゴリゴリ感、正座ができないなどの症状が治ることはありませんでした。
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Tさんは加害者側の代理人に「後遺障害申請をしてほしい」と頼みました。
しかし代理人弁護士からは、「自転車(じてんしゃ)事故は自動車事故と違い、後遺障害申請ができない」と言われました。
その後、加害者側代理人弁護士からは、後遺障害の損害が計上されていない127万9,500円の示談案提示がありました。
Tさんは、相手方に後遺障害部分の賠償も求めたいと、当弁護士事務所に相談されました。精密検査により骨折部の変形・転位を発見
当弁護士事務所はTさんの膝の状態を確認。交通事故から数年経っているにも関わらず、膝の痛みが引かないことに対し、器質的原因があると予測しました。当弁護士事務所はTさんに、膝関節の専門医で精密検査を受け、原因を究明するように伝えました。これを受けてTさんが専門医院で受診したところ、骨折した顆間隆起部が変形・転位していると診断され、痛みの原因が判明しました。
裁判(大阪地方裁判所)で後遺障害12級認定!
当弁護士事務所は加害者側代理人弁護士に、加害者加入の保険で後遺障害申請手続きができるのかを確認しました。しかし加害者側弁護士は、「後遺障害申請はしない」の一点張りで、後遺障害部分の損害を認めようとしませんでした。当弁護士事務所は、後遺障害部分の損害を取得するのは裁判しかないと判断し、大阪地方裁判所に提訴しました。
(※交通事故紛争処理センターは、加害者の乗り物が自転車の場合には利用できません)
当弁護士事務所は裁判において、Tさんの後遺障害は顆間隆起部の転位であり、他覚所見があるとして、12級の後遺障害を主張。
大阪地方裁判所の裁判官は判決で、Tさんの後遺障害12級を認定し、解決金額は1,400万円以上アップしました。(加害者側主張)→(裁判所認定)
入通院慰謝料 122万6,400円 → 250万円
後遺障害慰謝料 0円 → 280万円
後遺障害逸失利益 0円 → 718万8,086円
合 計 127万9,500円 → 1,601万2,168円
自転車事故の場合、自賠責保険がないため、Tさんのように後遺障害申請できないまま示談の話をすすめられるケースが多々あります。
当方では自転車同士の交通事故など、自賠責保険が適用されない事案についても数多く取り扱ってきました。
保険会社に後遺障害認定機関がなく、どうすればいいのか分からない…。
このようなことでお困りの方は、一度当弁護士事務所へご連絡ください。文責 プロスト法律事務所 弁護士/御厩 高志