交通事故による大腿骨骨折後、急激な認知症の悪化などが発生
大阪在住のMさんは、ご自宅近くの道路を手押し車を押しながら歩いていたところ、後方から走行してきたバイクに手押し車が引っかけられ、引きずられて転倒する交通事故に遭われました。
この交通事故でMさんは大腿骨骨折の傷害を負い、入院を余儀なくされました。しかし入院数日後、大腿部の手術を契機に、Mさんには著明な不穏状態が出現。急激な認知症の悪化や、自力歩行不能などの症状が発生しました。
その結果、Mさんは不穏状態の悪化のため、病院では世話がしきれないという理由で入院の継続が困難となり、事故後20日程度で退院せざるを得なくなりました。
Mさんは交通事故以前は軽度の認知症はあったものの、十分な生活能力を有しておられました。Mさんのご家族は交通事故後、Mさんの認知症が悪化し、寝たきりの状態となったことに驚き、認知症と交通事故との因果関係を立証するため、当弁護事務所に来所・委任されました。
廃用症候群の発生・機序を立証し、後遺障害 別表1 『2級1号』を獲得!
当弁護士事務所はMさんご家族から事故後の状況をお伺いし、「直接頭部に外傷を負っておられないことから、交通事故後に廃用症候群を起こしたもの」と見込みを立てました。
特に高齢の方の場合、交通事故による短期の臥床期間でも、廃用症候群を起こし、自然の経過を越えた著しい認知能力の低下や不穏状態、運動能力の低下を起こすことがあります。
当弁護士事務所は主治医と面談を行ったところ、主治医は交通事故以前の状況を把握していたため、事故後の急激な悪化が交通事故によるものであることに納得され、廃用症候群の診断をして頂きました。
Mさんの場合、事故後数日で不穏状態が出現し、認知能力・運動能力の低下が認められたことから、廃用症候群の出現時期が問題となりましたが、超高齢者(90歳以上)の場合、ごく短期の安静・臥床期間でも廃用症候群を起こすことがあり、主治医にも因果関係を肯定する意見を書いて頂きました。
また、当弁護士事務所がMさんの脳画像を確認したところ、Mさんには交通事故以前から一定程度の経年性変化が認めていましたが、事故後、著明な脳萎縮の進行が認められました。
これらの証拠を基に、当弁護士事務所が後遺障害手続きを行ったところ、自賠責は、本件交通事故と症状発生の因果関係を認め、後遺障害 別表1 『2級1号』を認定しました。Mさんには交通事故以前から認知症の症状がありましたが、既存障害は9級10号程度であり、本件交通事故により、「障害が過重された」との判断でした。
その後、認定された等級を前提として、加害者側任意保険会社に対して賠償金の請求を行い、最終的にMさんの事案では、総額2,600万円を超える金額で解決することが出来ました。
高齢者の方が骨折などで入院した場合、認知症の症状が進行したり、寝たきりになったりする話は一般的に知られているところです。
勿論こうした事案すべてについて、交通事故と症状の因果関係が認められる訳ではありません。
しかし事故後、通常の経過を超える急激な症状悪化が認められる場合で、医師の診断や客観的所見がそろっている場合には、交通事故との因果関係が認められる可能性があります。
廃用症候群が問題となる事案では、症状やADL(日常生活動作)障害が重大であることが多く、将来の介護についても検討する必要があります。
このため、事故後の廃用症候群については、交通事故と因果関係が認められる可能性がないか、十分に検討しなければなりません。
文責 プロスト法律事務所
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