股関節脱臼骨折により下垂足などの症状が残存
兵庫県在住のKさんは、路外から道路へ出るため単車で待機中、後ろからアクセルとブレーキを間違えた車に追突されたため道路へ飛ばされ、さらに道路を走行していた車に衝突される交通事故に遭われました。
Kさんはこの交通事故により、股関節脱臼骨折(寛骨臼骨折)、坐骨神経麻痺、右上腕骨骨折などの傷害を負いました。Kさんの股関節は手術で整復されましたが、予後の症状が悪く、交通事故から1年後に人工関節の手術をされました。
その後、Kさんはリハビリに励まれましたが症状は良くならず、交通事故から約2年が経過した頃に治療終了(症状固定)の話が出てきました。
後遺障害10級は妥当?
Kさんは以前、加害者側保険会社から「後遺障害は10級くらいで考えている」と言われていました。
Kさんは、
・後遺障害等級は10級くらいが妥当なのか?
・後遺障害認定前に弁護士に依頼し、示談交渉をお願いした方がより良い結果となるのか?
と疑問に思われ、当弁護士事務所にご相談されました。
当弁護士事務所はKさんから後遺障害の状態について詳細を確認。人工関節(後遺障害10級に該当)の後遺障害以外にも、股関節や足関節、足指にも可動域制限があることから、後遺障害は10級を上回る可能性があること。また肩関節部分での異常所見が発見されれば等級はさらに上昇する可能性があると判断。
Kさんに、
①後遺障害が多岐に及んでおり、診断書に記載漏れが発生しやすく、事前にチェックした方がいいこと
②Kさんの場合は後遺障害診断書も別途専用の用紙が必要となること
③正しい後遺障害等級を獲得することが、のちの示談金に大きく影響してくること
などから、症状固定前に弁護士に依頼したほうが良いとお伝えし、委任契約となりました。
後遺障害申請で5級認定。異議申立により肩の後遺障害等級上昇!
当弁護士事務所はKさんの後遺障害診断書を確認。その数値などから、後遺障害5級に該当するのではないかと判断。主治医に症状・所見の記載漏れ部分などを追記して貰った上で後遺障害申請(被害者請求)したところ、併合5級(下肢につき6級、醜状障害につき12級、右肩につき14級)の後遺障害が認定されました。
右肩14級は妥当?
当弁護士事務所が認定結果の内容を分析したところ、右肩につき、自賠責は「骨は癒合しており痛みの原因が判然としない」ことから14級との結論でした。この点、当弁護士事務所が上腕骨の画像を確認した結果、異常所見が伺えるようでしたが、画像が不鮮明でした。そこで当弁護士事務所はKさんに、右肩の精密検査を再度受けてもらい、異常所見をより明確にした上で異議申立したところ、14級→12級に等級上昇しました。
Kさんは12級の醜状障害も認定されていたため、全体的な等級は併合5級のままでしたが、右肩痛12級の後遺障害が認められることで、逸失利益の喪失率(基準値)が67%→79%に上昇したことから、異議申立は非常に有意義なものとなりました。
なおKさんの場合、2台の加害車がいる共同不法行為の交通事故でしたので、2つの自賠責から保険金を回収することができました。
将来の治療費・人工関節再手術代も認容!
その後、当弁護士事務所は加害者側保険会社と示談交渉に入りました。
①将来の治療費・人工関節再手術代について
Kさんは、症状固定後も約3カ月に1回、経過観察で病院に通う必要がありました。
また人工関節は耐用年数が約20年とされており、Kさんのご年齢からすると将来的に買い替えする必要がありました。加害者側保険会社は当初、将来の治療費などについてすべて否認していましたが、当弁護士事務所が過去の裁判例等を用いて粘り強く反論した結果、治療費・手術費とも認容での解決となりました。
②逸失利益の喪失率について
加害者側保険会社はKさんの逸失利益の喪失率につき、当初45%と主張。これに対して当弁護士事務所は、Kさんの下肢・右肩の現状、仕事への影響から退職せざるを得なくなったことなどから減算されるべきケースではないと、証拠書類等も揃えた上で具体的に反論しました。最終的に5級の喪失率79%がそのまま認められ、解決となりました。
Kさんの交通事故事案は7,108万4,087円(自賠責・既払込)で解決となりました。
交通事故の賠償金は、後遺障害等級が上昇することで大きくアップする
等級上昇のためには、医学の領域に精通していることが重要です。
当弁護士事務所では、症状固定の際に必要な検査や画像撮影のほか、後遺障害診断書の記載内容についてもアドバイスをさせていただいています。症状固定前にご相談いただくと、ご納得のゆく解決への流れに沿って、スムーズに進めることが可能です。
交通事故で弁護士が必要と感じられた方は、当弁護士事務所までぜひご相談ください。
文責 プロスト法律事務所
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