1.骨盤骨折により坐骨神経麻痺
兵庫県在住のHさんは、知人の車の助手席に同乗中、知人車が信号無視で交差点に進入したため、青信号で走行してきた車に衝突される交通事故に遭われました。
この交通事故でHさんは股関節脱臼骨折(骨盤骨折)、頸椎捻挫などの傷害を負いました。
Hさんの骨盤骨折は手術により整復されたものの、坐骨神経麻痺による下垂足の症状(右下肢全体のしびれ、足首に力が入らず固定装具がないと歩けない)が残存しました。
Hさんは交通事故後、約2年間リハビリに励まれましたが、下垂足の症状は治ることなく症状固定となりました。
Hさんは保険会社側から休業補償の支払いを十分に受けられなかったことなどから、今後の示談交渉を不安に思われ、当弁護士事務所に来所相談され、委任契約となりました。
2.下肢の後遺障害6級認定
当弁護士事務所はHさんの右下肢の症状につき、
①骨折部位は股関節のみであるが、股関節・膝関節・足関節・足趾の可動域制限は坐骨神経麻痺(ただし股関節・膝関節は拮抗筋メカニズムも関与)によるものであり、交通事故と因果関係があること
②各関節部位の可動域制限は、他動値ではあまり制限されていないものの、坐骨神経麻痺の症状であるため自動値を採用すべきであること などを主張
下肢の後遺障害については6級相当であるとして、自賠責保険会社に後遺障害申請(被害者請求)したところ、足の後遺障害につき6級が認定されました(足関節10級と股関節・膝関節各12級による7級相当と、足趾用廃9級により6級相当)。
3.裁判で和解、総額 8,796万円で解決
その後の保険会社側との示談交渉については、請求金額も大きくなることから、裁判所に提訴して解決を図ることにしました。保険会社側との主な争点は過失割合、通院交通費、逸失利益でした。
3-(1) 過失割合について
保険会社側の代理人弁護士は、Hさんが頭部打撲や全身擦過傷を負っていることから、シートベルトを装着していたとは考えにくく、Hさんにも相応の過失があると主張しました。
それに対して当弁護士事務所は、
①刑事記録の内容を精査すると、Hさんがシートベルトを装着していた事が伺われること
②衝突の程度や車体状況から、シートベルトを装着していても全身に打撲を受ける可能性は十分あったこと
③Hさんにはシートベルトによる圧迫と思われる肝損傷があること
などを、証拠に基づき具体的に反論。過失ゼロを主張しました。
裁判所は当弁護士事務所の主張を認め、過失ゼロの和解案が提示されました。
3-(2) 通院交通費のタクシー利用について
タクシー利用の通院交通費につき、保険会社側の弁護士は、退院1か月後からは公共交通機関の利用に支障があったとは考えにくく、タクシー利用の必要性を認めないと主張しました。それに対して当弁護士事務所は、Hさんの当時の右下肢の症状、病院までの道のりを考えると、タクシーを利用せざるを得ない状況であったことを、証拠に基づき具体的に反論しました。
裁判所は当弁護士事務所が請求した通院交通費につき、「すべて認める」という和解案を提示しました。
3-(3) 逸失利益について
保険会社側弁護士はHさんの逸失利益の喪失率につき、Hさんは20代と若く、将来的に下肢が回復する見込みが十分考えられることから、喪失率を逓減するべきであると主張しました。
これに対して当弁護士事務所は、Hさんの後遺障害は下肢全体に及ぶ機能障害であり、将来的に変形性膝関節症などを発生させる恐れもあり、将来的に逓減されるべきものではないと反論。
最終的に裁判所は、6級の喪失率67%をそのまま認め、喪失期間も就労可能年限まで認める和解案を提示しました。
その他、将来の装具代、入院付添看護費なども保険会社側との争点になりましたが、裁判所は当弁護士事務所の主張どおりの金額を認める和解案を提示しました。
Hさんの交通事故事案は 8,796万円(治療費などの既払い金を除く)で解決しました。
当弁護士事務所は、これまでに3,000件以上の交通事故事件を解決してきました。慰謝料アップを目指した示談交渉から全面的な解決に至るまで、弁護士・所員一丸となって取り組みます。
交通事故で弁護士が必要と感じられた方は、当弁護士事務所まで一度ご相談ください。
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