自転車走行中の交通事故。頭部外傷後、高次脳機能障害が発生し、後遺障害9級が認定。
大阪在住のWさんは自転車で走行中、住宅街の狭い道路から交差点に進入した際に、左方から直進してきた車と衝突するという交通事故に遭われました。
この交通事故でWさんは頭蓋骨骨折の傷害を負い、病院に緊急搬送され、約3週間の入院を余儀なくされました。
その後Wさんは1年以上の治療・リハビリを続けましたが、高次脳機能障害の症状が残存。自賠責から9級10号の後遺障害が認定されました。
そこで、Wさんの家族は加害者側保険会社に対し、後遺障害9級を前提とした示談案を提示するよう求めました。
ところがその際に加害者側保険会社は、本件交通事故は加害者側が「明らかに広い」道路を走行していたところ、Wさんが狭路から飛び出したことにより事故となった事案であり、主としてWさんに大きな過失があると説明したのです。
Wさん家族は加害者側保険会社の判断に疑問を感じ、妥当な過失割合について相談するため、当弁護士事務所に来所・相談されました。
具体的状況により、過失割合は大きく変わることも。
当弁護士事務所はWさん家族から事情を伺いましたが、Wさん側も保険会社側も事故について十分な資料を持っていない状態でした。
道路交通法では、一方の道路が「幅員が明らかに広い」広路・狭路の関係にある場合、信号のない交差点では広路側が優先関係に立つことになっています。しかし、広路・狭路に当たるかは、現場状況により異なるため、現場状況の確認が必要でした。
そこで当弁護士事務所は刑事記録を取り寄せ、現場道路の状況の調査を行いました。
その結果、確かにWさんが走行していた道路は住宅街の狭路であり、一見、加害者側が走行していた道路の方が「明らかに広い」道路に見える状況でした。
しかしながら同交差点は変わった形をしており、Wさんが走行していた東側道路は狭くなっているものの、反対の西側道路はかなり広い道幅がとられていました。
この点については最高裁判例があり、「幅員が明らかに広い道路」とは、交差点をはさむ前後を通じて、交差点をはさむ左右の交差道路のいずれと比較しても明らかに幅員の広い道路のことを指すと判示されています。
つまり本件事故現場は、「幅員が明らかに広い道路」には当たらなかったのです。
過失割合95:5、労働能力喪失期間50年以上の内容で和解。
そこで当弁護士事務所は、事故現場が優先関係のない交差点であることを前提にして、加害者側との示談交渉を始めました。
過失割合について当弁護士事務所は、Wさんが年少の児童であること。現場道路がスクールゾーンであるにもかかわらず加害車両には速度違反・著しい前方確認義務違反が認められることから、Wさんに有利に過失割合を修正すべきであると主張しました。
最終的に、過失割合について、95:5の割合で合意することができました。
そのほか、症状固定後67歳までの50年間以上の逸失利益が認められたほか、重傷基準での慰謝料が認められました。
その結果、3,219万円の和解金で解決することが出来ました。
交通事故の過失割合については、具体的事故状況によって結論が大きく変わることがあります。
このため、過失割合の判断には刑事記録の確認や現場状況の調査が欠かせません。
過失割合は、最終的な結論に直結する重要問題です。過失割合に疑問を持たれた場合は、直ぐに返事をせず、一度交通事故の専門弁護士にご相談することをお勧めします。
文責 プロスト法律事務所 弁護士 林 征人
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