事故による頭部外傷後、顔面神経麻痺等の症状が残存。事前認定では脳障害を含め11級を認定。
Sちゃんは3歳の時に、道路上で友達と遊んでいるところを走行してきた車に接触されるという交通事故に遭われました。
この交通事故でSちゃんは頭蓋底骨折(ずがいていこっせつ)・外傷性くも膜下出血(がいしょうせいくもまくかしゅっけつ・脳挫傷(のうざしょう)等の傷害を負い、約1ヶ月半の入院・1年半の通院を余儀なくされました。
交通事故によりSちゃんには顔面神経麻痺の症状やコミュニケーション上の支障が残存しましたが、交通事故当時はSちゃんが幼稚園に入園前であったことから事故前との評価(変化の比較)が難しく、Sちゃんの御両親としても障害を認めたくないという思いから、生活上の支障はないと意見を添えて、後遺障害申請を行いました。
このため、自賠責はSちゃんの高次脳機能障害自体は否定したものの、脳の器質的損傷から障害自体は疑われるとして12級の脳障害を認定。顔面神経麻痺12級と併せて、併合11級の後遺障害を認定しました。
高次脳機能障害の再検査・再評価を行い異議申立。高次脳機能障害7級を含む、併合6級を獲得!
Sちゃんの御両親は、自賠責の判断を見てSちゃんに脳の障害があることを認識し将来の事が不安になり、当弁護士事務所に来所・相談されました。
まず、当弁護士事務所で、Sちゃんの脳画像を確認したところ、Sちゃんには交通事故後の脳室の拡大が確認できました。
Sちゃんの年齢も併せて考えれば、Sちゃんの脳室拡大は明らかに重度と考えられました。
また、交通事故後に意識障害が数日間継続していた事実も確認できたことから、当弁護士事務所はSちゃんの御両親にSちゃんの脳のダメージはかなり大きいことを説明。改めて気になる症状がないかを確認しました。
すると、Sちゃんの御両親は思い当たることとして、Sちゃんが物事に集中できないこと、友達とのコミュニケーションが上手く行っていないこと、怒りやすいことなどを挙げられました。
当弁護士事務所は、子どもの高次脳機能障害の場合、短期で結論を出すべきではなく、長期の経過観察をすることによって集団生活への適応や発達への障害が生じていないかを確認すべきとされていることを指摘。
改めて、現在の症状を再検査・再評価することで、適切な高次脳機能障害の後遺障害等級が認定されるのではないかと説明しました。
Sちゃんの御両親は方針に納得・同意され、受任の上で異議申立・損害賠償を行うことになりました。
当弁護士事務所は、Sちゃんに高次脳機能障害の専門病院を紹介。
Sちゃんの高次脳機能障害の再検査を行ったところ、記憶障害や注意障害、発達障害、コミュニケーション障害等の症状が確認できました。
そこで、当弁護士事務所は症状固定後数年経った小学校生活の状況も含めて、改めてSちゃんの高次脳機能障害の後遺障害診断書類を作成、異議申立を行いました。
その結果、自賠責保険はSちゃんの高次脳機能障害7級を認め、併合6級の後遺障害を認定しました。
過失割合・逸失利益等で被害者に有利な主張が認められ、解決総額5,000万円超で解決。
当弁護士事務所は自賠責から認定された後遺障害等級を元に損害賠償額を算定。加害者側保険会社と示談交渉を始めました。
当初、加害者側保険会社は過失割合について子供が飛び出てきた交通事故だという認識であり、過失割合に強いこだわりを持っていました。
当弁護士事務所は、刑事記録を元に、本件事故現場が住宅街の歩車道の区別のない狭い道路であること、Sちゃんが飛び出たのではなく自動車が道路の端に寄って走行する際にSちゃんを引っ掛けた交通事故であることを明らかにし、Sちゃんに有利な過失割合を認めさせることができました。
また、後遺障害の再評価を行った時期を症状固定日として認めたほか、就労可能年限である67歳まで生涯にわたる逸失利益が認められました。
その結果、Sちゃんの事案では、総額5,000万円を超える和解金で解決することが出来ました。
高次脳機能障害の評価に当たっては、主治医の診断のほか、家族や身の回りの方が提出する「日常生活状況報告」の内容が判断に大きな影響を及ぼすことがあります。
大きなお怪我を負った後、命が助かった被害者に対して、身の回りの方は後遺障害が残存したという事実は認めたくないものです。
しかし、十分に症状を検討しないまま高次脳機能障害等の症状が残存していないという意見を提出すれば、少なくとも日常生活に影響は出ていないのだという前提の判断が下ることになりかねないのです。
重度の頭部外傷を負った後には、適切な判断・対応が必要となります。
後遺障害の手続を行う前に、一度頭部外傷事案に強い弁護士にご相談頂くことをお勧めします。
文責 プロスト法律事務所 弁護士 林 征人
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