頭部外傷後に嗅覚・味覚障害などが発生
大阪在住のMさんは自転車で横断歩道上を通行中に、対面から右折してきた車に衝突される交通事故に遭い、頭蓋骨骨折・外傷性くも膜下出血・前腕部挫傷などの傷害を負いました。
Mさんは交通事故後約1年間の治療・リハビリを受けましたが、嗅覚障害・味覚障害などの症状が残ってしまいました。
Mさんは症状固定後、事前認定による後遺障害申請を行いましたが、味覚障害・嗅覚障害のいずれも非該当と認定されました。
その後Mさんは当該後遺障害認定結果の妥当性に疑問を持ち、当弁護士事務所に来所・ご相談されました。
頭部外傷と嗅覚脱失の因果関係を明らかにし、後遺障害12級を獲得
当弁護士事務所がMさんの症状、医学資料、後遺障害の認定理由などを確認したところ、嗅覚障害について2つの問題点が確認できました。
一つは嗅覚障害の程度について。「嗅覚低下」なのか、「嗅覚脱失」なのかが明確ではなく、正式な検査を行っていないのではないかと考えられました。
もう一つは、後遺障害非該当の理由として「鼻・副鼻腔に嗅覚障害の直接の原因となるような外傷性病変が認められない」と述べられており、頭部外傷と嗅覚障害の関係が明らかにできていない。
以上の2点が分かりました。
そこで当弁護士事務所はMさんに対し、“これらの問題点を補完することができれば後遺障害の獲得が見込める”と説明。当該交通事故事件を受任することになりました。
まず当弁護士事務所は、改めて病院で嗅覚検査(T&Tオルファクトメータ)を実施していただき、Mさんの嗅覚障害の程度が嗅覚脱失に至っていることを確認しました。
また、主治医にMさんの脳損傷の部位を指摘してもらうとともに、Mさんの嗅覚脱失が頭部外傷によるものであるとの意見を取り付けました。
その後 当弁護士事務所が、これらの証拠をもとに異議申立を行った結果、自賠責は嗅覚障害について頭部外傷によるものであることを認め、後遺障害12級相当を認定しました。
交通事故紛争処理センター(大阪)に申立。嗅覚障害による家事への大きな影響を認定!
その後 当弁護士事務所は、加害者側保険会社側と示談交渉を行いましたが折り合いがつかず、交通事故紛争処理センター(大阪支部)に申し立てることになりました。
加害者側保険会社はMさんの休業損害・逸失利益について、「嗅覚障害の影響はない、もしくは、大きくはない」と主張しました。
これに対し当弁護士事務所は、家事業務では嗅覚・味覚が大きな役割を果たすことを指摘するとともに、Mさんの嗅覚障害は頭部外傷によるものであることから、将来にわたって残存することが予測されることを主張しました。
交通事故紛争処理センターの斡旋委員は、当方の主張のとおり、就労可能年までの逸失利益を認め、休業損害についても主張の大部分を認めました。
また過失割合について、加害者側保険会社は一般的な基準を利用し、10:90の過失割合を主張しましたが、本件交通事故では、① Mさんが高齢者であったこと、② 横断歩道上の事故であったこと、③ 加害者に著しい過失が認められることから、Mさんに過失がないことが認められました。
最終的にMさんの事案は、総額 1,054万円で解決となりました。
文責 プロスト法律事務所 弁護士 林 征人
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