交通事故によるケガの通院途中で死亡した事例
大阪在住のMさんはバイクを運転中、別のバイクに後ろから衝突され、右大腿部開放骨折などの傷害を負われました。
Mさんは手術後、1年以上に及ぶ通院・リハビリを続けられましたが、症状が改善することはなく、膝・足関節に大きな可動域制限が残ってしまいました。
そうした中、Mさんは交通事故から1年半後、事故とは別の原因でお亡くなりになりました。
Mさんが亡くなった後、Mさんのご家族は加害者側保険会社から示談案の提示を受けました。
その内容は、交通事故と死亡との因果関係を否定した上、後遺障害が残っていないことを前提としており、Mさんが亡くなるまでの入通院に対する慰謝料分 334万1,693円のみというものでした。
Mさんのご家族は、Mさんが交通事故によるケガや後遺障害に苦しんでいたにもかかわらず、後遺障害による損害が認められないことに違和感と不信を覚え、当弁護士事務所に相談ご来所されました。
死亡後にも症状固定を判断出来るケースがある
最高裁は、
“交通事故の被害者が事故に起因する後遺障害を負った場合に、その後交通事故とは別原因で死亡した事案で、事故の時点でその死亡の原因が存在しており、近い将来における死亡が客観的に予測されていたなどの特段の事情がない限り、死亡の事実は後遺障害逸失利益の就労可能期間の認定上考慮すべきでものではない”
と判示しています。(最高裁 平成8年4月25日判決)
すなわち、交通事故とは別の原因で死亡したとしても、死亡時に症状固定に至っており後遺障害が残っていれば、後遺障害による損害は認められるということです。
当弁護士事務所がMさんの膝・足関節の可動域制限の原因を調査したところ、骨折時に筋肉が挫滅(ざめつ)していることから、筋萎縮(いしゅく)・拘縮(こうしゅく)が生じており、回復の可能性がない状態であったことが明らかになりました。
そこで、当弁護士事務所は死亡時をもって症状固定と判断。
当時の主治医に後遺障害診断書を作成してもらい、自賠責保険に後遺障害申請(被害者請求)したところ、膝関節可動域制限について後遺障害10級11号、足関節可動域制限について後遺障害12級7号、併合9級が認定されました。
その後9級を前提に裁判をしたところ、大阪地方裁判所は後遺障害の存在を認め、結果的には自賠責保険金も含めて1億0,116万円で解決しました。
お亡くなりになった時点で十分に治療が進んでおり、後遺障害の残存が認定できる状況にある方については、その後に別原因で死亡されたとしても、後遺障害による損害を請求できる可能性があります。
ただし、事故前から重度の持病などをお持ちの方で、近い将来の死亡が客観的に予測できた場合には、将来にわたる逸失利益を請求することは困難ですので注意が必要です。
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文責 プロスト法律事務所
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