個人事業主の休業損害① 交通事故による休業損害
個人事業主の場合、交通事故の休業損害はどのように計算されるか。
個人事業主とは、個人名で事業を営む者のことです。
個人事業主の例としては、個人で商店等を営む一般的な自営業者のほか、開業医・スポーツ選手・ホステスなどの自由業や、営業成績に応じて報酬を受け取る保険の外交員なども挙げられます。
個人事業主の場合、計算の基礎となる収入は売上総額ではなく、そこから必要経費を差し引いた所得になります。
個人事業主の所得については、確定申告の内容により証明するのが原則です。
今回は、基本的な基礎収入の考え方についてご説明します。
①個人事業主の所得について
原則として、個人事業主の所得については、交通事故の前年度の確定申告により証明します。
ただし、仕事によっては、年度によって収入が大きく変動する方の場合には注意が必要です。こうした場合には、事故の前年度のみを参考に基礎収入を決めると不平等になってしまいますので、交通事故前の数年間の所得の平均額を参考とします。
また事業所得の中に、個人事業主以外の労務成果が含まれている場合には、事業主の寄与分のみが基礎収入となります。
例えば家族等の身内と一緒に働いており、相当な給料を支払っていない場合には、事業所得の中に家族の労務成果が含まれていることになりますので、妥当な給料分は差し引く必要があります。
②代替労働力
個人事業主が他人を雇って自分の代わりに働いてもらうこと(代替労働力の利用)で、交通事故による休業を回避する場合があります。この場合、必要かつ妥当な金額については休業損害として認められます。
また代替労働力を利用しても、なお減収が発生した場合には、減収部分も休業損害として認められます。もっとも、代替労働力の利用については、相当性が問題となることが多いため、利用に当たっては慎重に判断することが必要です。
③固定費
税金・家賃・減価償却費など、事業を継続する上で支出を余儀なくされる経費を固定費といいます。
固定費は、個人事業主が休業している間も、事業を継続する以上は支出せざるを得ません。そこで、休業中無駄になった固定費について休業損害に含めて考える必要があります。
この点は、会社の具体的状況により、請求すべき固定費や損害への算入方法など、個々に判断が必要です。
文責 プロスト法律事務所 弁護士 林 征人
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