大阪府在住のKさんは通勤途中、横断歩道上を歩行にて横断中に車に衝突される交通事故に遭いました。Kさんは、交通事故により、頭部や顔面を強く打ち、外傷性クモ膜下出血(がいしょうせいくもまくかしゅっけつ)や左前頭葉脳挫傷(ひだりぜんとうようのうざしょう)、第6頚椎骨折(だい6けいついこっせつ)、上あご骨折、歯槽骨骨折(しそうこつこっせつ)、顎関節脱臼(がくかんせつだっきゅう)等のお怪我を負いました。
重篤なお怪我を負ったKさんでしたが、交通事故目撃者の証言からKさんが赤信号で横断していたことが明らかとなり、加害者側保険会社はKさん側に70%の過失があると認定。その結果、加害者側保険会社から治療費の支払い対応等はおこなわれず、労災保険を利用して治療をしておられました。
Kさんは、将来的に加害者側保険会社に対してどういったものをどの程度請求できるかがわからず、進め方などに不安を感じ、当弁護士事務所へご相談に来られました。
Kさんは、交通事故当時やその後の記憶がはっきりとしないことに加え、ご同居家族がいらっしゃらなかったことから、意識障害の有無や程度、交通事故前後での変化に関して客観的な評価がわからない状況でした。しかし、ご相談時にKさんが持参した交通事故後の頭部CT・MRI画像から脳挫傷痕などの所見が明確であったことや、交通事故に遭われてから日常生活や仕事で多くの支障・問題があると感じておられたことから、当弁護士事務所はKさんが高次脳機能障害の可能性が高いと考えました。
当弁護士事務所は、Kさんから委任を受け、解決に向けて進めていくこととなりました。
専門病院での検査で高次脳機能障害であることが明らかに
まず、当弁護士事務所は病院にカルテの取り付けをおこないました。カルテからは、Kさんが交通事故後約3日間にわたって意識障害の状態にあったことが明らかになりました。
また、Kさんの脳画像を確認したところ、脳挫傷痕が広範囲に広がっており、予後の悪さが推認される状況にありました。
頭部外傷に関しては、病院で簡易な検査を受け、特に異常なしとの診断をされていましたが、当弁護士事務所は、Kさんには専門病院できちんとした高次脳機能障害の検査を受けていただくべきであると考え、Kさんに専門病院の受診をお願いしました。
Kさんに専門病院で検査を受けてもらうと、注意障害や記憶障害に関する複数の検査で平均値を大きく下回る結果となったことから、重篤な高次脳機能障害が残存していると診断されました。
その後、Kさんは交通事故から約1年半で症状固定となりました。
自賠責保険で第7級4号が認定!
当弁護士事務所は、後遺障害申請(被害者請求)に向けて意見書の作成にとりかかりました。意見書作成のため、Kさんの日常生活や仕事での支障について細かく確認していると、Kさんは一旦早期に仕事に復帰したものの、その後、会社側から契約を打ち切られ、離職しておられたことが判明しました。高次脳機能障害の影響により、与えられた仕事を十分に果たせないことが頻回に起きていたことが契約打ち切りの原因となっていたようでした。
当弁護士事務所は、意見書内に意識障害の程度や画像所見のほか、日常生活や仕事での支障、Kさんが実際に高次脳機能障害により離職し、再就職先を得られていない状況を示し、高次脳機能障害の影響が深刻であると主張しました。
後遺障害申請の結果、Kさんの後遺障害は第7級4号「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」と認定されました。
対歩行者特約が利用できたこともあり、合計約3,890万円で解決!
自賠責保険から認定された後遺障害等級をもとに損害賠償金を計算し、加害者側保険会社との示談交渉をおこないました。
加害者側保険会社は、当弁護士事務所が主張する慰謝料や逸失利益等をそのまま認めましたが、本件事故ではKさんの赤信号横断が確認されていたことから、Kさん側の過失を大きくとられ、損害賠償金は大幅に過失相殺されてしまいました。
しかし、幸いなことに、本件事故では加害者側が被害者の過失部分も含めて補償を行う歩行者傷害特約に加入していることが判明しました。
そこで、当弁護士事務所は加害者側保険会社に対し、歩行者傷害特約による保険金を請求。
最終的に、本事案はKさん側の過失部分を含んだ保険金が支払われ、総額約3,890万円で解決することが出来ました。
今回の事案では、過失が多い交通事故ではあったものの、加害者側が保険に対歩行者特約をつけていたことにより、十分な補償を受けることができました。また、通勤途中の交通事故であったことから、労災保険を利用でき、労災保険に対する後遺障害申請手続も別途ご依頼いただいて、当弁護士事務所で申請手続をおこないました。
被害者側の過失が多い交通事故でも、事案によってはご加入の人身傷害保険や勤務先の労災保険などを利用できる場合もあります。高次脳機能障害は評価が難しい後遺障害ですので、弁護士への依頼により後遺障害等級が大幅に変わってくることが十分に考えられます。
高次脳機能障害事案では、症状に見合った後遺障害等級の認定を受けることが重要ですので、加害者側保険会社への損害賠償請求が難しい交通事故や相手方がいない自損事故の場合でも、一度当弁護士事務所にご相談ください。
加害者側保険会社への損害賠償請求が困難な交通事故や相手方がいない自損事故での高次脳機能障害解決事例はこちら(↓)
高次脳機能障害|人身傷害保険を利用し、後遺障害第5級2号認定
文責 プロスト法律事務所 弁護士 林 征人
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