交通事故に関するコラム

自賠責保険の被害者請求権の消滅時効

自賠責保険の被害者請求権にも消滅時効があります。

被害者は加害者の自賠責保険に対し、直接保険金を請求をすることができます(自賠法16条)。
これを被害者請求権といい、加害者に対する損害賠償請求権とは別に消滅時効が存在します。

なお、物損に関しては自賠責保険の対象外ですので、被害者請求権は人損のみ発生します。

 

自賠責保険に対する被害者請求権の時効起算点及び期間は下記のようになっています。

①傷害に関する請求   事故日の翌日より3年間

②後遺傷害に関する請求 症状固定日の翌日より3年間

③死亡に関する請求   死亡日の翌日より3年間

*平成22年3月31日までに発生した事故の場合は、被害者請求権の消滅時効期間は2年間です。

*令和2年4月1日の民法改正により、人の生命又は身体の傷害に関する損害賠償請求権の時効は5年間となりましたが、自動車損害賠償保障法は本記事投稿時点では改正されておらず、時効は3年間のままですので注意が必要です。

 

被害者請求権の時効の進行を止める方法

確実なのは、時効中断(更新)申請書を提出すること

被害者請求も後遺障害が残るものは医学的な資料を取り寄せ、分析し、再検査などしていると時間がいつの間にか経過してしまいます。

一番確実なのは、自賠責保険会社に対し、時効中断(更新)申請書を提出することです(令和2年4月1日の民法改正により時効中断の名称は時効更新に変わります)。
実務上、自賠責保険会社はほとんどの場合時効中断(更新)に応じてくれます。これにより、中断(更新)時から3年間(平成22年3月31日までの事故は2年間)、時効が延長します。この時効中断(更新)は、自賠責保険会社が認める限り、繰り返し行うことができます。

異議申し立ては、被害者請求の結果が通知されてから3年以内(平成22年3月31日までの事故は2年以内)に行うことができます。再度の異議申し立てをする場合には、結果が通知されてから3年(または2年)以内に行うことができます。

 

被害者請求(異議申立て)において、特に注意すべきこと

被害者請求(異議申立て)をしても、加害者側への請求権の時効は中断しない。

自賠責保険に対し、被害者請求(異議申立て)をしても、加害者への損害賠償請求権は中断(更新)しません。

被害者請求(異議申立て)は、あくまで自賠責保険が支払うべき保険金額を請求するものであり、被害者請求(異議申立て)中も、加害者に損害賠償請求をすることを妨げないからです。

実際、非該当から異議申し立てをして等級が認められたにもかかわらず、損害賠償請求権の時効期間が経過してしまったため、加害者側への損害賠償請求権の消滅時効が完成したと判断された最高裁判決も存在します(最判平成16年12月24日裁判集民事215号1109頁)。

自賠責への時効中断(更新)は、あくまで被害者請求のみ時効が延長されるため、加害者への損害賠償請求権に関しては、別で時効中断(更新)の措置が必要となります。

 

消滅時効の完成で全てを失う危険も

これまで、数回にわたり消滅時効についてお話しました。時効の管理は基本ですが、少しの油断で全てを失う危険があります。

交通事故による損害賠償請求を全うするには、請求権を失わない(裁判所へ訴えることができる)ことが大前提です。

せっかく自賠責保険への被害者請求、異議申立を行い、適切な後遺障害が認定されたとしても、加害者側に対する消滅時効が完成しては意味がありません。事故日、症状固定日を把握し、時効を完成させないように管理していく必要があります。

 

自賠責保険に限らず、消滅時効に関し少しでも不安をお持ちの方は、是非一度当事務所へご相談下さい。

 

          弁護士 岩田 直樹(掲載:平成26年8月6日)

プロスト法律事務所  弁護士 佐々木元起(補正:令和元年12月20日)

 

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